観光名所の天竜川で舟下りを体験しました。
先月同じ天竜川で、観光客を乗せた舟が転覆沈没し、5名の方が亡くなる痛ましい事故のニュースが大きく報道されていました。その事故の前にプランを練った予定の観光コースでしたが…。実際、この日の舟下りの乗船場は、連休で行楽日和のお天気ながら、観光客で混み合う賑わいはありません。事故のニュースが大きく影響している様子が感じられます。
舟下りの待合室で乗船の前に、担当係の人が救命胴衣の着装を丁寧に説明しています。乗客も皆注目して熱心に聴いています。この救命胴衣は入水を感知して自動で浮袋の空気が膨らむ仕組みだそうです。このタイプの救命胴衣なら着用も負担にならず、夏場でも暑苦しさはありません。
本気で着ける救命胴衣
靴を脱いで床にゴザを敷いた舟に乗り込み、2隻が前後して岸を離れ、約30分の舟下りの始まりです。舟には四角い背もたれのマットが備えてあります。いざという時にはこれが救命具(浮き)になると船頭さんが説明する念の入れようです。
昔風の伝統的な木造舟の中に、船舶検査の証票が今風。木の舟自体は転覆しても浸水しても沈みません。そんな当たり前のことが、今風の強化プラスチック製の舟には通用しないこともあることを事故のニュースで知りました。
万全の備えで舟下りを楽しむ
“ピィーヒョロロー…”時代劇などではお馴染みの鳶の啼き声が聞こえてきたかと思うと、川岸の木から数多くの鳶が舞い上がり舟の周りを群がり始めました。
鳶が餌をもらえることを覚えて、舟が近づくと集まってくるのだそうです。船頭さんが餌(食パンの耳?)を一掴み撒き上げると、鳶が滑空しながら水面に浮いた餌を両脚で捕らえ、悠々と飛びながら啄ばんでいます。今日の鳶は、いつもより多いそうです。
舟下りで鳶の餌づけ
波しぶきのかかりそうな流れのところは、船頭さんから前もって知らせてくれます。船べりのビニールシートを皆で揃って高く掲げ(外へ押し返すように)波しぶきを凌ぎます。それでも勢いよく高い波しぶきが頭上から降り注ぐこともあり(特に船首に近い席で)、夏の暑い日にはの涼しさ抜群の観光です。濡れて困るケータイやカメラなどは用心しましょう。この舟下りでは、衣類を濡らす水しぶきもお土産だそうです。
「この先に急流下りがあります。皆さんご要望あれば、そこを通ります」と船頭さんが尋ねます。 …客の誰からも声が上がりません。「ご要望がないので、流れの穏やかな方を行きます。また次の機会があれば、一度そちらも楽しんでください。」 …豪快な急流下りも舟下りの面白さの一つですが、怖さが吹っ切れないと客の方でも楽しめません。
今日は行楽日和のお天気で、穏やかな舟下りといい景色を楽しみました。