勤め先の地元で面白い趣向のマラソンがあるので参加しました。大阪市内の港区〜此花区〜西区の商店街をつなぐコースを24km走ります。途中、沿道の店先に用意された様々な食べ物などの饗応を受けるのでこの名があります。また、赤信号交差点は必ずストップです。信号待ちの間にコースガイドの地元ボランティアから街の由来なども聞け、市内観光も兼ねています。
第2回目ということで参加定員は600名と倍増していますが、9月1日のインターネットによる募集開始から2日のうちに締め切られた人気ぶりです。会場受付でイラスト入りのTシャツとゼッケン、コースマップなどを受け取ります。ゼッケンには出身地と名前とメッセージを油性ペンで記入します。普段ジョギングしかしないので、とにかく『めざせ完走!』です。
カメラと財布はウエストポーチで携行し、着替えなどの荷物は大きなビニール袋に入れて受付に預けます。スタート会場の入船公園は、アスリート達の揃いのTシャツでオレンジ色に埋め尽くされています。仮装で参加する人もいて、凝ったコスチュームが楽しそうです。仮装でマラソンを走れる余裕が羨ましい。
入船公園スタート&ゴール会場
ゼッケン番号の順に小さな集団にまとめてウェーブスタートです。若いアスリート達の集団に付いて走ると、自分の普段のペースより速いこと。最後までスタミナが持続するか不安になり…そうと思うまもなく、赤信号の交差点でストップです。息を整えて、また走り始めます。赤信号の交差点ごとにランナーが離合集散するので、最後まで周りのペースに引っ張られて走ることになりました。
スタート会場から近い商店街が最初の八幡屋エイドです。先発したランナー達が食べ物の周りに群がっています。自由に好きなだけ食べられるのですが、先が長いので早々に発つことにします。柔らかな鶏から揚げを一口頬張りながら走りました。少し走った先の港商店会では沿道の出店があり、飴玉を2個頂きポーチに入れ栄養補給に備えます。
第10組でスタート(11時19分)
八幡屋エイド(11時35分)
港の中央突堤の先まで行って折り返します。晴れて気持ちのいい潮風に吹かれ、ダイヤモンドポイントという風光明媚な海辺に佇み、しばし水平線を眺めます。目に、ごちそうです。
このあたりは集客施設が建ち並び、海遊館(水族館)マーケットプレースと大観覧車が一際目を引きます。この3月に世界最大級の大型客船QUEEN MARYⅡも寄港した大きな岸壁を走り抜けて、天保山に登頂(?)します。標高4.5m三角点標石もある日本一低い山です。
ダイヤモンドポイント(11時53分)
天保山(12時03分)
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スタート地点から6.2km、13時00分の最初の関門です。ここから先は渡船で港区から対岸の此花区へ渡ります。陽光に輝く安治川河口に、木造帆船を模した観光船サンタマリアが渡船の傍を追い抜いて行きます。
渡船が接岸した先にはテーマパークのUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)があります。その外周は安治川に沿って一段高い遊歩道になっていて、長いスロープを駆け上ると正面にユニバーサルシティの高層ホテルが建ち並んでいます。USJの入口近くは観光客の賑わいです。ジェットコースターの走り抜ける音と共に頭上から歓声が聞こえてきます。
天保山渡船(12時13分)
USJの外周(12時23分)
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スタート地点から11.3km、お腹をすかせて春日出エイド到着です。先発後発のランナーが続々と集まり商店街にひしめいています。14時00分の関門に余裕です。ゆっくり落ち着いて、いか焼き、稲荷寿司、バナナ、和菓子を少しずつ頂きました。アーケードの垂れ幕にビリケンさん、祠もあって小さな像が祀られています。ここに御参りすると筋肉疲労に効くスプレーの御利益があります。
安治川隧道で安治川の下をくぐって西区に入ります。深くて狭い階段通路を下って抜けて駆け上がり、息も上がって地上に出ると、赤信号交差点で休止です。信号待ちの合間に、地元ボランティアスタッフがこの河底道路トンネルの来歴を説明してくれました。
春日出エイド(12時50分)
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安治川隧道(13時13分)
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九条商店街(キララ九条)のアーケードを進み、一旦横道に出た九条東公園が公式第1エイド。高度浄化水の「ほんまや」が配られていましたが、ウエストポーチには入らないのでパスします。
すぐアーケードに戻って九条エイド。焼きたてのたこ焼きを賞味。外はカリっと、中はとろとろ熱々です。中央大通りを渡った先の九条商店街(ナインモール)で(美味しそうなメロンはパスして)バナナとカスタードのプチシュークリームを頂きました。
九条商店街(13時19分)
熱々のたこ焼き
木津川を渡ると堀江地区。東に四つ橋筋と出合うまで、信号交差点で誘導するボランティアスタッフと共に、和装の御姉さんが一緒にいてランナーを励ましてくれます。この歳になると(?)和服姿になぜか心が和みます。
土佐稲荷神社は明治の政商岩崎弥太郎由来の社で、三菱のマークが軒に見えます。賽銭を入れて鈴をガラガラし、完走祈願します。ここでは、明治天皇恩賜の銘菓福の花(粟おこし)が配られました。ウエストポーチに詰めます。もう少し大きめのポーチが良かったかも。
土佐稲荷神社(13時41分)
四つ橋筋の大通りを南に進みます。都心部のメインストリートでしょうか、通りを往来する人達に地元の人という感じは受けません。オレンジ色のランナー達を見て面白そうなイベントをやっている風に見られました。次の日曜日の「大阪マラソン」のプレイベント的にはいい宣伝かもしれません。西道頓堀川の手前で西に向きを変え、ゴールを目指します。空が暗くなり雲行きが怪しくなってきました。
南堀江公園が高台エイド。ここまで18km、15時00分の関門です。小粒ながらしっとりした紀州梅干しを頂きました。
評判の日本茶専門店で一休みします。店先で冷えたグリーンティーを1杯(これが美味い!)、店内で一碗ごとに点てて振舞われる抹茶を頂きました。ひととき疲れを忘れ、少し優雅な気分に浸れます。店を出る頃に小雨が降り始め、木津川を渡る頃ひとしきり雨模様となりました。沿道のボランティアスタッフの皆さん大変です。
高台エイド(14時02分)
辻重庵で抹茶ひと休み(14時12分)
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西消防署前を過ぎ港区に入って雨が一時小止みになりましたが、最後の繁栄商店街に入ってすぐに夕立のような強い雨が降りました。雨がやむまで休憩することにします。ここが最終のチェックポイントです。全体の約半数のランナーが通過していました。軽煎餅、羊羹と漬物を頂きました。繁栄韋駄天尊会所で開運成就の参詣記念カードを貰い、ウエストポーチに収めました。手打ちうどんは行列ができていたのでパスしました。雨が小止みになったところで出発です。
西消防署の前(14時25分)
繁栄商店街で雨宿り(14時34分)
ゴールに近い港区役所が公式第2エイドです。地元の天然温泉水のサービスがあり、応援の母親に抱かれた幼児から「がんばって」と紙コップを頂きます。心にも、ごちそうです。エイドの中でランナーが(マッサージサービスで?)一人横になっていました。ゴール間近な三津神社エイドでは鳥居の前に装束姿の神主さんがいて、ランナーに御祓いをしてくれます。完走目前で実に有難い感じです。
ゴールラインには商店会総連盟の会長さん他大会関係者やボランティアスタッフが並んで、テープを張って迎えてくれました。無事に走り終えて感無量です。
ゴール到着(15時04分)
ゴールして完走証明書と天保山の登頂証明書が手渡されました。一緒に貰ったスポーツ飲料水のペットボトルはその場で飲み干しました。筋肉痛も関節痛もなく、程よい疲労感です。会場テントにもランナーが数人横になっていました。受付で預けた荷物を受け取り、更衣室で着替えを済ませて一心地です。
話が跳びますが…
フル・マラソンは29歳の時に初参加した篠山ABCマラソンでした。未知の体験にスタミナ切れで35kmの関門が通過できませんでしたが、翌年に再挑戦して念願の完走を果たし、記念品のTシャツを獲得しました。ただ、帰りの列車に間に合わせようと休憩もそこそこに支度して、篠山駅ホームの渡り階段を駆け上ったのは不覚でした。列車に乗った直後に、心臓が発作的に苦しくなる(止まる!という感じの)体験をしました。全身が消耗し心臓まで疲弊していたのでしょうか? その不安から以後フル・マラソンには参加しませんでした。
閑話休題…
健康増進目的でも無理はせず、休憩も意識してとる歳になりました。今回の催しは体力的にちょうどいい頃合のスポーツイベントでした。