平成4年から12年間使い続けてきたコンパクトカメラ(PENTAX ESPIO)が故障しました。製造終了から10年くらいは経っているので、お役御免です。たまの撮影で(充電地が放電して)あてにならないデジタルカメラに比べて電池の持ちがよく使い勝手のいいカメラでした。次のカメラも使い慣れたフィルム式のコンパクトカメラにします。
フラッシュを使わず室内撮影することもあるので、より広角で開放F値の明るいレンズを持つカメラに的を絞って、市場に出回っている製品を見比べました。望遠の利くズーム比の大きなカメラは数多くありますが…。
要望に合う(唯一の)カメラがこれでした↓
FUJIFILM Silvi F2.8
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このカメラの背面は、デジタルカメラを模したデザインのように見えます。市場ではデジタルカメラの勢いが増して、旧来のフィルム式カメラは退潮傾向です。いずれ市場から姿を消すフィルム式カメラの、今が最期の華かもしれません。
最初の撮影は、照明を落としたレストランの中でのスナップ写真です。家族揃って行った夜景のきれいな高層ホテルのディナーの席で撮りました。ほの暗い静かな雰囲気の中で、フィルムを巻き上げる(ジィー…という)音が、少しだけ、場にそぐわないかも…。
家族でディナーに行く
フィルム式カメラの写真は、ネガフィルムをフィルムスキャナ(MINOLTA Dimage Scan Dual Ⅱ)で読み取ってデジタル化しています。
現像同時プリントに出したフィルムが『全部、何も写ってなかった』と、妻から聞きました。少し前の北海道旅行で夜の小樽運河の撮影にも使い、仕上がりを期待していたので、すごく残念です。ネガフィルムは既に捨ててしまったということで、詳細はわかりません。
もしかして、カメラの故障…? 撮影レンズを正面から観察してみると、レンズシャッターが動作していないようにも見えます。早急に使えるよう、富士フイルムの大阪サービスステーションに持ち込み、修理依頼しました。検査の結果ズームレンズの作動不良とのことで、部品交換(調整)で返ってきました。原因箇所を修理し、機能検査済みだそうです。古びたソフト・カメラケースも、真新しいものに替えていただきました。
修理費は掛かりましたが、フィルム式のカメラ自体、今では絶滅危惧種です。写真は気軽にケータイかスマホで撮るのが一般的になりました。名にし負う『○○カメラ』といった家電量販店のカメラ売り場でも、コンパクトから一眼レフまでデジタルカメラ一色です。フィルム式のカメラは、今では中古カメラ店舗の陳列ケースでしか見られません。
捨て難いフィルム式のカメラですが、ここではデジタルカメラのメリットが際立ちます。 写ってなければ、滅多にない故障でも直ぐに気づきます。
20回目の結婚記念日です。家族揃ってデコレーション・ケーキを前に丸テーブルを囲み、写真を撮りました。その折、修理に出したカメラに装填するフィルムも一緒に買ってきましたが、以前に買い置きしていたフィルムパッケージの紙箱をあらためて見ると、中から“使用済み”とおぼしきフィルム・パトローネが一つ出てきました。
『全部、何も写ってなかった』って、撮影済みのフィルムと取り違えて新品未使用のフィルムを現像同時プリントに出したのでは? そんな初歩的なミスなど…と思っていましたが、カメラに故障でもなければ、このフィルム・パトローネの中に写し損ねて諦めたはずの写真があるかもしれません。
一抹の不安と淡い期待を込めて、(先に妻が持ち込んだDPE取次ぎ店とは別の)DPE店に出しました。結果はビンゴでした。