妻にせがまれ、花見に行きます。
大阪府内の自宅周辺は桜が満開です。前回見そびれた観光地再訪を兼ねて、桜の名所を探し『鮎河の千本桜』(滋賀県)が目に留まりました。
ネットの開花情報では、先月末でまだ蕾。今年は春先まで全国的に寒い日が続いたので、開花が遅いようです。観光客が押し寄せる京都(市街地周辺)は、桜の見ごろを迎えているので、咲き始めでもOKかな…と、急遽前日に旅行計画を立てました。
自宅を6時35分出発。曇り空。往路は名阪国道で下柘植ICから山麓の下道をゆっくりドライブします。自宅から2時間半で到着。桜並木はまだ蕾。残念。人影ない閑散とした桜の名所に、観光バスが1台やってきました。入れ替わり出発します。
鮎河の千本桜 鯎(ウグイ)川の桜並木 まだ蕾
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途中、若宮神社があるので立ち寄ります。杉の大木に囲まれ深閑とした境内、本殿の内から神事か何か祝詞が聞こえます。受付で御朱印を受けました。参拝者が一人。
若宮神社(御朱印)
山麓を離れ東近江の市街地郊外までくると、桜は蕾が色づく頃合いです。
10時30分、五個荘に到着。五個荘観光センターとプラザ三方よしでお土産を買って、近江商人屋敷に向かいます。近江商人屋敷の3館共通入館料(1000円)は行き先で販売とか。観光客の姿なく閑散としています。
プラザ三方よし
つぼみが膨らんで、山麓より開花が早そうな桜の木。足元は早春満開のスイセン。
桜のつぼみ膨らむ
“現役”の郵便ポスト
古い町並みの景観に合うアンティークな郵便ポスト。取集時刻は午前1回/毎日。受口が塞がれた同様の郵便ポストが別にありました。
弘誓寺前の澄んだ水路に錦鯉が優雅に泳いでます。人の姿を見つけて水面に口を開ける仕草がもの欲しそう。
弘誓寺前 鯉通り
弘誓寺 枝垂桜
弘誓寺の枝垂桜は蕾が膨らんで、明後日でも開花しそうです。
最初の近江商人屋敷は、外村繁邸。
近江商人屋敷 外村繁邸(再訪)
先客は女性2人連れのみ。入ってすぐ案内の方から説明を受けました。外見は立派な屋敷を構えても、内には豪奢な欄間ひとつ設けない質素ぶり。
1階の座敷は早くも五月人形の飾りつけの最中でした。
古の近江商人の家訓が掲出、現代にも十分通じる商売の心得を説いて面白い。
家訓 箴言と商売十訓
近江商人の像
天秤棒に荷物を担ぎ、朝☆夜☆全国に出掛ける近江商人像。貨物輸送が発達する前、“人とモノが動けば、カネが動く”商いを地道に積み上げ富を得たのか…と思いをはせる。
表札の外村繁文学館は、土蔵の中にその資料館があります。土蔵の出入口で人を感知し、解説アナウンスが流れます。商家の跡取りに生まれながら文学の道に身を投じ、終生活動した生き様が興味深いです。
外村繁の生涯と仕事
五月人形の飾りつけ
続いて、中江準五郎邸を訪問。
そこの案内の方が映画『天外者』のエキストラで出てた由。妻の大ファンの俳優が出演した映画ロケの話題で盛り上がっています。撮影の合間に『むべソーダ』が供されたとか、舞台裏の話が色々聞けたのは、妻の聖地巡礼で、この旅一番の収穫でした。
近江商人屋敷 中江準五郎邸
蔵に全国の郷土玩具(土人形)が多数展示されています。ご当地の民芸品小幡人形が出来上がるまで(型押し・素焼き・彩色)の工程は、細かな手作業の温もり。伝統の意匠は、何か現代の偶像(推し)にアレンジできないかな…と思ってみたり。
小幡人形の製法
庭園
大きな池を配した庭園は、庭先に下り立つ心づもりなかったので、縁側の大きな(1枚)ガラス戸越しに眺めました。
屋敷を後にする前に、玄関先で『むべソーダ』のお土産を見つけました。
むべソーダ
次の訪問先、藤井彦四郎邸への道中に大城神社があります。
大城神社
大城神社の境内は人気なく、中江準五郎邸で話しに聞いた(NHK朝ドラ“聖地巡礼”旅人向けの)御朱印の手掛かりは見つかりませんでした。
椿
境内の椿が、開花(落花)の見頃です。
ここから次の藤井彦四郎邸までは少し距離があります。正午を回りお腹も空いてきたので、五個荘観光センターに昼食に戻りました。
昼食(味噌カツ定食・天丼)
金堂の町並みを外れ、腹ごなしに徒歩で向かいます。この日の万歩計は1万超え。藤井彦四郎邸の広大な庭を囲む生垣が、田畑の遠く先に見えました。
藤井彦四郎邸で、案内の方から当主の事績について説明を受けました。展示品のスキー毛糸(ブランド)が、遠い昔の・微かな・懐かしい記憶。
近江商人屋敷 藤井彦四郎邸
一代で財を成した当主は政界の雄とも親しかったようで、座敷に立派な衝立と扁額が飾られています。
衝立と扁額
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床の間は火灯窓から縁側ガラス越しに庭園の望む意匠を凝らしたもの。贅沢な格天井の仕様は、説明を受けないと見逃すところでした。
格天井の床の間
備え付けのサンダルで、広大な庭園を自由散策。遊歩道の小高い丘は苔に覆われ、踏み荒れていません。素人目にも見応えある庭園です。
庭園
赤く華やかなカーペット敷の洋館は、古の蓄音機が並び、大正時代のYAMAHAのピアノが鎮座しています。ここでクラシックの音楽会・演奏会を催すと、時を巻き戻したような感覚になるかも。
金箔の柱時計が2時の時報を打ちました。
ログハウス風の洋館
案内いただいた方に御礼して帰路につきます。弘誓寺本堂が、金堂まちなみの中から瓦葺大屋根が頭ひとつ抜きん出て、町並み外れて目印になります。春先に咲くムスカリが群生して田圃の露地を紫に彩っています。
歩き疲れて、金堂まちなみ保存交流館で休憩しました。
コーヒーを注文して、座敷に上がり座椅子に脚を伸ばし、大型テレビに映し出されるPRビデオを見て、本日の五個荘観光を振り返ります。
金堂まちなみ保存交流館で休憩
ここも五月人形の飾りつけの最中です。近々『五個荘商家に伝わる武者人形めぐり』の催しがあるので、またお越しくださいとパンフレットを頂きました。
金堂まちなみ保存交流館
15時観光を終え、五個荘観光センターを出発。
帰路は名神高速竜王ICから京治バイパス経由(草津SAで休憩)で、時間も早く渋滞なく帰着しました。
自宅周辺は雨あがりの模様。帰宅後、軽く洗車しました。
観光地巡りに急かず、オーバーツーリズムともかけ離れて、のんびりと歴史に浸れる行楽でした。