不覚にも、この日の天体ショーを見逃すところでした。
勤めから帰宅途中、東の空に上った上弦の月にスマホを向け写真をとっている人を幾人か見かけました。
月の陰の部分がほんのり淡く見えます。それが月蝕と知る由もなく、自宅でいつものように夕食を済ませくつろいでいましたが、やはり気にかかります。
大気が澄んだ星明りのきれいな快晴の夜に、新月に近い三日月が地球の照り返しの光を受けて、月の陰の部分が円く見えるのに似ていますが…。
ベランダから皆既月蝕を観測する
ベランダから見上げると、淡い赤銅色の満月です。
さっきは三日月だったから…あぁ…今日は月蝕の日だったのかと、皆がスマホで天体撮影にはやる理由に気づきました。
それならそうと、こちらもじっくり観察してみることにしました。
月に双眼鏡を向けると、3D映像のように天空に浮く球が見えました。普通、満月を双眼鏡で見ても見ても大して立体感はないので、ちょっと不思議な視覚体験です。
双眼鏡越しにコンデジで4秒間手持ち撮影する
(マウスオンでロールオーバー)
せっかくの機会なので記録写真でも…と思っても、天体撮影に向く機材は持ち合わせていません。
なので、ありあわせの双眼鏡とコンパクト・デジタルカメラで天体撮影に臨みます。10倍率の双眼鏡に、35mmフィルム換算焦点距離38mmのコンデジの組み合わせ。
夜景モードISO400の感度設定、開放F値2.8、シャッター速度4秒の手持ち望遠撮影です。左手で双眼鏡、その接眼レンズにカメラのレンズを合わせて右手でコンデジを把持します。どれだけ静止に耐えられるか、腕が試されます。
いくつもブレた写真の中で、ベランダの手すりを双眼鏡の支えにして撮影したものが、何とか円い月の形になりました。双眼鏡のピントは目に合わせていて、カメラのピントはきっちり合っていないかも。
翌朝の新聞に皆既月蝕の精細な写真が載っていました。こんな時だけですが、自分のデジタル・一眼レフカメラにも天体撮影に向く交換レンズが欲しくなります。
天体ショーの続きです。
天気は下り坂、薄雲が広がっています。冬の澄み渡った夜空を期待していましたが、おぼろ月です。
撮影を半ば諦めかけたところ、ほんの一時的な晴れ間に、皆既月食が観察できました。
今回はごく普通に、デジカメを三脚に据えて撮影しました。
デジカメを三脚に据えて撮影する
工夫も何もなく撮ったものですが、その写り具合を見るため、ピクセル等倍で切り出します。元は35mm換算焦点距離70mmの望遠で撮影した800万画素の画像です。
皆既月蝕
なんとなく月らしく見える写真になりました。