ベランダで天体望遠鏡を使って、皆既月蝕の写真撮影を試みます。
前回と異なり低高度の皆既月蝕です。前日未明の時間帯に、南西向いの住宅の屋根に没する月の軌道を確認しました。
写真撮影用の天体望遠鏡は経緯台にセットしました。また、眼視用に別途天体望遠鏡を用意して、妻と一緒に皆既月蝕を観望します。
撮影機材は暗所撮影に強いコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)と、旧機種のデジタル一眼レフカメラ(デジイチ)です。どちらもまだ使用頻度少なく、撮影環境に合わせて機能フル活用できるほど十分に使いこなせていません。
カメラレンズの『絞り』は、天体望遠鏡にありません。また、マニュアルフォーカス必須です。自動露出・自動焦点の撮影とは勝手が違い、天体撮影は試行錯誤の取り組み(面白さ)があります。
天体望遠鏡2台態勢で臨む
天体撮影と月蝕観望
天体望遠鏡にセットした“重い”デジイチは、ストラップを鏡筒に掛けておきます(…鏡筒のドローチューブに差し込んだデジイチのスリーブが、圧着クランプで”固定されているだけなので…)。

デジイチで撮影を試みる
天体撮影はピント合わせがキモです。天体望遠鏡のピントノブを回してピントが合うと、揺らぎのない明るい月面でカメラの光学ファインダーに合焦マークが点きます。便利。
ただし、標準マットのフォーカシングスクリーンで、F値の大きい(望遠)レンズの(低照度の)目視のピント合わせは、ちょっと難しい。月蝕で暗くなる前にピントを合わせて、固定しておきます。
露出はシャッター速度とISO感度をいろいろ変えて試し撮りします。皓々と照る月明かり、1/2000秒、ISO-800で撮影スタートします。APS-Cセンサーに、F6.25/650mmの直焦点撮影。ホワイトバランスは“太陽光”で、JPEG撮って出し(Web用にリサイズ)。

日没後の月面にピントを合わせて、月蝕を待つ
(マウスオンでロールオーバー)
縁取り薄くなった三日月がみるみる欠けて、皆既日食に入ると露出合わせが忙しくなります。

皆既月蝕に入ると一気に暗くなる
2時45分、 1/10秒、ISO-3200
加えて、搭載重量オーバーの経緯台での天体導入。経緯台の上下方向の微調整が機能せず、デジイチを把持して鏡筒を月に向けました(…ドローチューブに差し込んだデジイチのスリーブが次第に緩んできました…)。
月蝕のピーク 光学ファインダーほぼ暗転
3時11分、 1/10秒、ISO-6400
天体導入中にピントが外れて撮影完敗です
3時17分、 1/5秒、ISO-12800
…ということで、期待を込めた皆既月食の撮影は、ピントが外れて大失敗でした。残念。
ただ、併設した天体望遠鏡での皆既月食の観望は上々で、稀に見る赤銅色の月面に、妻も大層ご満悦でした。
次は赤道義に天体望遠鏡をセットしてみる? 極軸合わせ難しそうだけれど…低倍率で月を眺めるだけなら、適当でOK?
本日のヒヤリ・ハット。撮影を終えて鏡筒を天頂に向け、三脚を移動して収容する際に、スリーブがすっぽ抜けました。危うく高価なデジイチを落として壊すところでした。